兌換紙幣って何?
兌換紙幣というのは、本位貨幣(正貨ともいう)への交換が保証された紙幣のことです。
本位貨幣とは、金貨や銀貨のように1円とかの額面通りの価値を持っている貨幣のことです。
本位貨幣自体に価値があるのですから、
兌換紙幣ではなく本位貨幣を流通させればよいように思いますが、
金貨や銀貨は保管(盗難防止)や運搬(重量)に不便があり、
また摩耗すると価値が下がるので、
本位貨幣ではなく兌換紙幣を流通させていました。
兌換紙幣のメリットとデメリット
兌換紙幣の場合、金や銀などの貴金属の採掘量は急には変わらないので、
価値が安定しやすいというメリットがあります。
逆に、本位貨幣以上に紙幣を発行できないという制限のため、
経済が発展しても必要なだけ紙幣を発行できない、
というデメリットがあります。
また、貿易赤字になると、兌換紙幣は海外へ流出してしまいます。
だからといって発行量を増やすわけにはいかないので、国内の紙幣の流通量が減り、
まともな経済活動ができなくなります。
これも兌換紙幣のデメリットです。
じゃあ不換紙幣は?
不換紙幣は、本位貨幣との交換をしない紙幣のことです。
兌換紙幣と違って不換紙幣には金や銀といった貴金属の価値の裏付けがないのに、
どうして不換紙幣は使われているのでしょうか。
「みんなが使うと思っているから」などと説明されていることもありますが、
実際は、政府が「税金の支払いは自国通貨でなければ受け取らない」と法律で決めているからです。
不換紙幣のメリットとデメリット
不換紙幣の場合、貴金属の採掘量による紙幣の発行量の制限はありませんので、
必要な時に必要なだけ発行できます。
ですから、経済が発展していっても紙幣が足らないということはなくなります。
ですが、経済の状況を見ながら過度のインフレにならないよう、
国内での流通量をコントロールする必要があります。
現在、日本をはじめとする先進国は不換紙幣を発行しています。