ここでは、当サイトのお金に関する記事の補足として、
バランスシートと仕訳の概要を簡単に説明していきます。
ですので、簿記や経理実務に関する詳しい説明ではありませんので、
勘定科目など細かな違いがありますが、ご了承ください。
バランスシートとは
バランスシート(B/S)は、日本語で貸借対照表と言い、財務諸表の一つです。
バランスシートには、資産、負債、資本を示してあり、下の図1のような表になっています。

図のように、表に縦線をひき、左側を借方(かりかた)、右側を貸方(かしかた)といいます。
借方には資産、貸方には負債と純資産が示されます。
(純資産は資本と説明されることもあります。)
一般企業であれば、資産には現金や預金等、負債には買掛金や借入金等、純資産には資本金や利益余剰金等が示されます。
(上記「現金」「預金」「買掛金」「借入金」「資本金」「利益余剰金」などは、勘定科目といい、会社で違うことがありますが、ここでは詳しい説明は省きます。)
バランスシートでは、貸方の合計金額と借方の合計金額は必ず一致します。
ですので、式で表すと
資産=負債+純資産
となります。
貸方、借方の左右が同じ金額で釣り合っているということで、バランスシートと言います。
バランスシートに記入する金額は、総勘定元帳というものをもとにします。
総勘定元帳には、個々の取引が記入されますが、記入の前には仕訳をします。
仕訳とは
仕訳とは、取引を借方と貸方に分けることです。
例えば、現在50万円の現金があるとします。
その時のバランスシートが、図2のようだったとします。

(実際は現金以外にいろいろな勘定科目がありますが、面倒なのでここでは考えません。説明上特に問題ありませんので。)
そのうちの10万円を、銀行に預けるという取引を考えてみます。
まず、この取引で増えるものと減るものに分けます。
この例では、手元の10万円の現金を銀行の預けるわけですから、
現金は減り、預金は増えます。
次に、取引に出てくる要素を勘定科目に置き換えますが、
現金と預金を勘定科目として設定している場合は、そのまま使います。
(例:社用車を買った場合であれば、社用車は「車両運搬具」という勘定科目に置き換えます。)
仕訳では、現金と預金の一方を借方、他方を貸方にします。
現金と預金を借方、貸方のどちらにするかは、増えるのか減るのかで決まります。
借方の勘定科目が増える場合は、仕訳では借方に、
借方の勘定科目が減る場合は、仕訳では貸方にします。
貸方の勘定科目が増える場合は、仕訳では貸方に、
貸方の勘定科目が減る場合は、仕訳では借方にします。
それでは、例の取引を仕訳すると、現金は借方の勘定科目で減るので貸方に、
預金は貸方の勘定科目で増えるので貸方にします。
この仕訳は下の図3のようにイメージしてください。

(仕訳において、借方と貸方の勘定科目は複数でもよいのですが、借方の合計金額と貸方の合計金額は、必ず一致しなければいけません。)
この仕訳を行うと、バランスシートは図4のようになります。

ここで、取引には必ず相手があります。
この場合の取引相手は銀行です。
取引前の銀行のバランスシートが図5のようであるとします。

では、銀行側の仕訳がどうなるかというと、図6のように、
図3の仕訳と借方と貸方の勘定科目が逆になります。
つまり、借方に現金、貸方の預金と仕訳します。

このように預けた側の貸方の現金と預かった銀行の借方の現金、
預けた側の借方の預金と銀行の貸方の預金の額が、
それぞれ同じになるように仕訳します。
この仕訳を行うと、銀行のバランスシートは図7のようになります。

上記の場合、
預けた側から銀行に10万円の現金が移動することで、
預けた側には10万円の預金という資産が増え、
銀行には10万円の預金という負債が増えたことになります。
(預金は民間会社では預け金なので資産ですが、銀行では預かり金となるので、いずれ預金者に返すものですから負債となります。)
このことから、だれかの負債はだれかの資産となることがわかると思います。
これらの仕訳処理は、簿記でのルール、決まり事です。
以上のことを理解していただくと、お金に関する記事がわかりやすくなるかと思います。