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お金って何だろう?

お金って何なんでしょう?

お金がお金であるための条件は、

(1)お金の単位

(2)債務と債権の記録であること

(3)譲渡性

(4)担保

の4つです。

この4つの条件を満たせば、なんでもお金なるということになります。









それぞれの条件を見ていくと、(1)は円とかドルといった単位のことです。

単位を決めることで、モノやサービスの価値をお金に換算できるようになります。









(2)は、お金というのは債務と債権、いわゆる貸し借りの記録であることです。

なんだかよくわからないかもしれませんが、

この部分については、後ほど詳しく説明します。









(3)は、お金としてみんなが受け取ることが必要ということです。

例えば、あなたが友達に貸した1万円の借用証書を、お金としてお店で使おうとしても、お店は受け取ってくれませんよね。

コンビニ等の買い物でもらえるポイント1万円相当分でも、同じだと思います。

このように、モノやサービスを買おうとするときに、受け取ってもらえないものはお金とはいえないということです。









(4)は、日本円の場合は、日本政府の日本円での徴税です。

国税は、以下の法律および通達によって、日本円で納付することになっています。

・国税通則法 第34条
・法令解釈通達 第34条関係 納付の手続き(https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/tsusoku/03/01/34.htm)
(日本政府が発行する通貨の単位を円と規定しているのは「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」です。)

ですので、納税者(国税を納める義務のある者)は、

日本円を納税のために手に入れる(稼ぐ)必要がありますから、

日本国内では日本円が価値を持って流通しています。

※地方自治体においても、日本政府との金銭取引は日本円で行われますので、

おのずと地方税も日本円で徴税することになります。









お金は借用証書?

前述のお金として成立する条件の(2)では、債務と債権の記録であることが求められています。

債務と債権の記録というと、一般的には借用証書が思い浮かぶのではないでしょうか。









お金が借用証書とは、どういうこと?









と、思う方も多いと思います。(私も最初はそうでした。)

これは、市中銀行(街中にある一般でいう銀行のこと、以下、銀行という)と

日本銀行(以下、日銀という)のバランスシートを使って説明していきます。

(バランスシートについては、記事「バランスシートと仕訳の簡単な説明」を参考にしてください。)









まず、1万円札等の紙幣を発行するのは日銀です。

では、日銀の発行した紙幣を受け取るのは、だれでしょう?









それは銀行です。









銀行が日銀に紙幣を発行してもらう理由は、以下のようになります。









記事「バランスシートと仕訳の簡単な説明」に書いたとおり、銀行預金は

預金者側から見ると預け金なので資産(債権)、

銀行側から見ると預かり金なので負債(債務)となります。









ですから、銀行は預金者からATMや窓口から10万円の引き出しを要求されると、

10万円分の紙幣を渡さなければいけません。

なので、預金者の引き出しに備えて、銀行はある程度の紙幣を持っておく必要がありますので、

日銀に必要分の紙幣を発行してもらっておきます。









その時の仕訳は、図1のようになります。









           図1 紙幣発行時の仕訳












図1の「発行銀行券」は日銀が発行した紙幣で、受け取った銀行側では、それは「現金」となります。

そして、「日銀当座預金」は、銀行が日銀に持っている当座預金です。









日銀当座預金の場合、銀行が預金者となるので、上記の銀行預金と同様に、

銀行側から見ると資産(債権)、

日銀側から見ると負債(債務)となります。

(日銀当座預金は銀行側で「日銀預け金」、日銀側では単に「当座預金」と説明されたりします。)









ですので、図1の仕訳は、

銀行は100万円分の紙幣を日銀に発行してもらうために、

その銀行が日銀に持つ日銀当座預金から100万円分を引き出します。

日銀は、日銀の負債である、その銀行の日銀当座預金から、

引き出された100万円分を差し引き、その分の紙幣を発行するということになります。









ここで、ちょっと上記の仕訳の説明とは違う見方をしてみましょう。

発行銀行券は日銀の負債、現金は銀行の資産と仕訳されています。

仕訳中の銀行、日銀、双方の日銀当座預金はお金の受け渡しと同様ですから、

これは、日銀が銀行から無利子の借金(お金として日銀当座預金を貸し借り)をしていて、

紙幣(日本銀行券)を債券(=借用証書)と同様のものとして受け渡ししている、

と見ることができるのではないでしょうか。









このことから、お金は債務と債権の記録と言えると思います。









※ただし、紙幣を日銀に持って行っても、別の同額面の紙幣に替えてくれるだけだと思います。

現在の紙幣は兌換紙幣ではなく不換紙幣ですから。

ですので、日銀では発行銀行券は負債(=債務)となっていますが、

本当の債務とは言えないように思いますけど、

形としてはそうなるといったところでしょうか。









硬貨の発行は紙幣とは違う

最初に用語ですけれど、「硬貨」のことは法律では「貨幣」となっています。

ですが、「硬貨」のほうが一般的にはわかりやすいのではないかと思います。

ですので、ここでは「貨幣」でなはく「硬貨」のほうを使います。









ところで、硬貨の発行について調べてみたところ、

仕訳について細かくは、わからないところがありましたので、

大まかにこんなものと思っていただければと思います。

ご了承ください。









さて、ご存じの通り硬貨といえば「500円玉」「100円玉」などですが、

これらは紙幣と違い日本政府(以下、政府という。)が発行します。

硬貨の製造は造幣局がしていますが、造幣局から政府に渡された製品が通貨となるのは、

政府が日銀に発行したときになります。









政府が日銀に硬貨を発行する際の仕訳は、図2のようになります。

            図2 硬貨発行時の仕訳








図2の「貨幣回収準備資金」は、政府が硬貨の発行、引換え、

回収をスムーズに行うために設置されている資産(借方)の勘定科目です。

造幣局から納品された発行前の硬貨は、この「貨幣回収準備資金」勘定に入れられます。

また、「別口預金」は政府が日銀に発行した硬貨のうち、

民間に流通していないものを預けておく口座です。

(別口預金の設置目的には、上記以外のものもありますが、ここでは関係ないので説明を省きます。)









図2の硬貨発行の仕訳は、政府が資産である貨幣回収準備資金から硬貨100万円分を、

日銀の別口預金という口座に預けたというものになります。









別口預金に預けられた硬貨は、銀行が日銀当座預金を引き出すことで、

民間に流通します。

例として、銀行が日銀当座預金から10万円分の硬貨を引き出したとすると、

その際の仕訳は、図3のようになります。

           図3 硬貨が流通する際の仕訳












これは、日銀側の処理において、紙幣の発行のときの「発行銀行券」が、

「現金」に変わっただけです。









さらに、硬貨が銀行に流通したので、別口預金の処理も必要となり、

そのための仕訳は図4のようになります。

       図4 硬貨が流通した際の別口預金の処理












これは、銀行に流通した硬貨を、別口預金から日銀当座預金に振り替える仕訳です。

この処理により、政府の持つ日銀当座預金が流通した硬貨の金額分増えます。

政府は増えた分、日銀当座預金を使うことができるようになります。









これらのことから、硬貨の場合は紙幣の場合とは違い、

硬貨の発行主体である政府の負債ではなく、資産となります。

ですが、政府が硬貨を発行した時点で、政府が債権者、日銀が債務者となりますので、

硬貨も債務と債権の記録と言えるのではないかと思います。


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